ファッション・イン・ツクバ・ウラバナシ

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ツクマガvol.15『ファッション・イン・ツクバ』企画では、後半2ページでファッションに対してユニークなこだわりを持つ、4人の現役筑波大生を取材しました。ツクナビでは、ページの都合上で紙面に載せられなかった4人の人物像やこだわりについてもっと詳しく紹介しちゃいます!


イシモトナギさん 比文3

“こだわりは、着物であること”

取材当日、「約束していた時間の直前まで取材のことを忘れていました」というイシモトさん。勉強をするために図書館に来ていたそう。そう。この和服姿が彼にとっては、何ということのない日のコーディネート。いつも日本人のソウルが呼びかけてくるから、特別な理由がない限りは、毎日着物を着るそうだ。

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“注目にはもう慣っこ”

毎日和服で大学に通う彼の姿は、やはり構内でもウワサに。古き日本の雰囲気をまとう彼が、教室にいれば皆の目を引くのも仕方ない。しかし、彼はそういった注目にはもう慣れた、と言う。自分のファッションを貫く思いの強さにどこか憧れを抱いてしまう。

“小物まで手を抜かない”

着物20着、羽織5着は持っているというイシモトさん。寝不足ぎみの今日は、気分を明るくするために、明るい色味の着物に同じ寒色系の羽織をチョイス。寒い日には、コート、ストール、さらに帽子を合わせて防寒対策はもちろん、全体のバランスも決して忘れない。

帽子はその日のコートに合わせて、ハットの他にもベレー帽やハンチングを合わせることも。さらに、帆布製の通学バッグや着物と色を合わせた足袋など、頭から足先までファッションへのこだわりが詰まっている。(エミール)

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ナガサワミウさん 芸専3

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装いのすべてがファッション

服装だけじゃない。ファッションとは表情・仕草・言葉づかいなどあらゆる装いのすべてであると考えるナガサワさん。撮影時、腰をおろす前にハンカチを広げたのも本日のファッションにあわせてのことだそう。1960sアメリカ映画『ファニー・ガール』の世界観を意識しているとのことだが、確かに、レトロに上品でハチャメチャにキュートなお嬢様としか思えない。

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「演じる」ということ

ナガサワさんは、自分の中にある理想像を日々のファッションで体現する。「その日のファッションがその日の自分の役、素の自分になるんです」だからこそ彼女のファッションの幅は広い。本日のようなクラシカルなものから、もっとカジュアルにスクールガールになりきることも多いという。つまり、いろんな自分になれるってことです。うーむ、いいなあ。

ただなりたい姿になる、それがファッションです

意外にも、ファッションに気を遣うようになったのは大学入学後だという。「おしゃれに必然性はない。ただなりたい姿になるだけ」と語るナガサワさんだが、彼女を見ているとおしゃれしたいっていうファッション欲がむくむく沸き立ってくる。だってたのしそうなんだもの。義務なんてない、ファッションはとても自由でたのしいものなのだ。(みやお)

 

ちなみに。ナガサワさんはハンドメイドのアクセサリを作っています。「uim made(ウィムメイド)」というお店です、ここからコンタクトをとってね[uimmade@gmail.com]

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コジマヒサキさん 日日4

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アイデンティティをファッションで確立してみる

他の人と違った何かがほしい、この人といえばこれ、というものがほしい。私服登校だった高校時代、自分のアイデンティティの迷子を憂いた彼は、毎日青チェックの服を着るようになった。「コジマヒサキといったら青チェックであり、青チェックといえばコジマヒサキ」というわけだ。

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なぜ青チェックなのか

青チェック、それ自体はふつうの服装、おさえておきたいきほんの「き」。けれど毎日着ていたら、それはもう常軌を逸した異常現象だ。ふつうだったことがふつうではなくなってしまう、この倒錯に魅力を感じているのだそう。インテリジェンスなあそび心であることよ。 

その、はてしなく深い愛

スタンダードな柄だから、と青チェックを選んだとコジマさんは言う。しかし彼、話を聞けば聞くほど、青チェックへの愛が底なし沼のように深いことがあきらかになってゆく。ゆうに30枚を超える青チェックシャツ・コレクション、それらを並べた美くしき画像は携帯電話のトップ画面を飾っている。

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「スーツのときにはネクタイを青チェックにします」というTPOを忘れない、オトナの対応。静かな熱量をもった、そのはてしなく深い青チェックへの愛よ。(みやお)

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ノグチタマキさん 芸専2

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“まずは形から”

強そうな人、芯のある人になりたい。ファッションは、理想の自分になるための第一歩。いきなり変わるのが難しいなら、形から入るのも悪くない。そんな彼女はシシド・カフカが好きだという。なるほど、どこか雰囲気が似ているわけだ。

“買える値段でおもしろい服”

高校生だったころは、行動範囲も狭く、バイトができないためお金も無かった。でも、大学生になったら、バイトで自分のお金ができて、東京も近くなって、色んなお店に行けるようになった。東京の美術館に行った後に、新宿や下北沢に寄ってショッピングをするのが好きだというノグチさん。ポイントの水玉のワンピースはZARAのもの。手の届く範囲でおもしろく、かつ、着心地、機能性、デザイン性の良い服を選ぶようにしているそう。

“気合を入れよう”

芸専では彫塑(ちょうそ)をしている彼女、作業中はつなぎを着ることが多い。だからこそ、座学の時は気合いを入れたくて、服装にもこだわるのだとか。何とも芸専ならではだ。(エミール)

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デザイン:かーぎ
写真:タクト
文章:みやお、エミール
2018/6/25
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