みんなの思い出の絵本を特集し、絵本作家の井上千裕さんにインタビューさせていただきました。
ここでは、本誌に載せられなかったインタビューをお届けします!
【プロフィール】 井上千裕
茨城県出身。筑波大学大学院デザイン専攻修了。2019年、イギリスアングリアラスキン大学チルドレンズ・ブック・イラストレーションコースMAを修了。2020年秋、イギリスTateより自身初となる絵本を出版。
―――所属されていたイギリスの学校は、どのようなことを勉強するところだったのですか。
「チルドレンズブックイラストレーションコース」と言う大学院のコースで学びました。特殊なコースで、絵本、こども向けのチャプターブック、児童書のための絵、そういったこども向けとされる媒体だけに絞った制作と研究をしました。
絵本を大学院で教える場所は世界的にもすごく珍しいと思うのですが、作家として活動している卒業生も多いところです。
―――特に印象に残っている授業や演習の内容はありますか。
その学校はとにかくスケッチをするところで。どこへ行くにもスケッチブックを持ってないと、ちょっとそわそわしちゃうぐらい…(笑)。
実物をしっかり観察して、その中で自分の表現を作っていくことや、想像の中でステレオタイプを描いてしまうと、実感がこもらないものになってしまうことを学びました。しっかり見て描いて、それからアレンジすることで、ちゃんと実感があるものを作ろうと思いました。
それから、私は以前から版画に興味があったのですが、時間や金銭的なこともありなかなか挑戦できなくて。でもその大学だと、版画工房がオープンで、誰でも使っていいよという感じで開放されていました。なので版画に挑戦してみたんですよね。それが凄く面白かったです。
毎日版画とスケッチをしまくる生活を送っていました。
―――その頃の版画とスケッチは、今にどう影響を与えていますか。
そうですね…ぶつぶつ言ってないでとにかく描いて考えろという…身体を使って描きながら思考するというところが癖になり、身についたように思います。
イギリスの大学院での、貴重なお話も伺うことができました。ありがとうございました!
学生時代の経験を現在に活かされていることがよく分かりますね。長いようであっという間な大学生活、コロナ禍で制限はありますが、私たちも興味のあることにどんどん取り組んでいこうと思います。
ツクマガvol.21には、ご自身の絵本との思い出や創作スタイルなど、ここでしか聞けないお話もたくさん掲載しています。ぜひチェックしてください!
文責:市川
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