
編:TXが開業から10周年ということで、開業当初の思い出を教えていただきたいです。
鈴:私は元々国鉄の千葉モノレールに務めておりまして、そこから、TXが開業する一年前にここに入ったわけですね。最初は乗務員として入って、その後にコントロールセンター、いわゆる司令に入りました。
開業日、つくば駅には石岡市出身の羽田美智子さんという女優さんが一番列車に立ち会ってくださったり、秋葉原駅にはミッキーマウスが来たりしたみたいですね。現場では華やかなセレモニーが行われているわけじゃないですか。私はモニタリングは出来るのですが、現場にいることが出来ないという寂しさはありましたね。
編:乗員数はやはり開業当初の方が多かったのでしょうか?
鈴:おかげさまで乗車数は右肩上がりです。研究学園駅は開業当初から比べて5.89倍なんですね。これは20駅の中で一番の伸び率なんですよ。確かに我々も数値に表れているのは実感できますね。
編:個人的に10年間で印象に残っていることはありますか?
鈴:この10年で印象に残っているのは、やはり3.11ですね。六町という駅にいたのですが、その揺れというのがもうすごかったですね。これでもう世の中終わっちゃうんじゃないかなというくらいの衝撃でした。3.11の時は甚大な被害はおかげさまでなく、負傷者もいませんでしたね。
編:10年前と今のつくば市で変わったなと思うところはありますか?
鈴:実は、私がつくば駅に赴任したのは2年前なんですよ。その間で大きく変わったと言えば正直BiViができたことぐらいなんですけども。お客さんが多くなったことに比例して飲食店も増えましたよね。あとは外国の方が多くなりましたね。我々もiPadの翻訳機能を使ったりですとか、通訳の方に来ていただいていたりしています。
筑波大の学生部長の方にも言われたんですけど、つくば駅って特色がないですよね。例えば、市役所だったら一階にロボットがおいてあったり、研究学園駅の横にはCYBERDYNEの研究所があったりするので、我々も地域とのつながりをもっと密接に作っていけたらいいんですけどね。それにはリピーターが必要なんですがね。
編:まさに次の質問でこれからのつくばに期待することはなんですか、と伺おうとしていましたが、そういうことですね。
鈴:そうですね。何ができるのかということでいろいろ思案しております。TXは今年で開業10周年を迎えましたが、これからの10年のほうが大事なんじゃないかと思います。つくばにおける様々なイベントに来られる方、定期外のお客様をいかに集客するかっていう。ただ鉄道会社だけだと難しいですよね。
編:では最後の質問です。鈴木さんのつくばのいちばん好きなところや場所はありますか?
鈴:筑波山入口からロープウェーのつつじヶ丘駅に向かう途中にある「ひたち野」っていうお店知ってる?そこは古民家を改修していて、常陸牛が食べられるんです。店内からの景色も本当に良いですね。その近くにかりんとうまんじゅうのお店があって、そこも美味しいですね。
あとは万博記念公園の近くに「ガトープーリア」というチーズズコットが美味しいお店があるんですよ。あとロケーションで好きなのは、研究学園から見渡す筑波山ですね。ちなみに、守谷駅のホームからは富士山も筑波山も両方見えるんですよ。それがとても好きですね。

[15/12/01]
デザイン:せんりんご
技術:かーぎ