大学生バカやろうウラバナシ・そとあそびver.

文責:Bomber

WACHA☆WACHA ~outside~

 

この企画を通してわかったことは2つあって、

「あ、つくばって全然遊べるんじゃん!」っていうことと、

「最後に頼れるのは自分だけ」っていうことです。

 

とても素敵な一日でした。一日のスケジュールを担当者が綿密に立ててくれて、僕はヘラヘラ笑いながら後ろからついて楽しむだけで良かったのです。

いやぁ、持つべきは優秀な後輩だなぁ。ちょっとした遠足気分。

今考えるとそんな緩みきった僕の心が、後のあの惨劇を生んだのかもしれません…。

 

最初は「土地と計量の博物館」に行きました。すんげー北の方にある施設です。

多分この場所での最大のハイライトは…、あれですね。

一番最初に現地集合したのは僕で、次にひなちゃんが来たんです。

まだ開館して間もないため人もまばらで、一人寂しくみんなを待っていたんです。

なのでひなちゃんが来たときはまぁ、結構嬉しくて、へいへいへーいっと近ずいたんです。

 

したらね…

 

彼女…

 

僕の顔を見て泣き出したんですよ

 

久しぶりにわりとテンパりました。

だって僕なんもしてないもん。

喜んで近づいた分落差が激しいです。

でもなんで泣いてるんだろう。

もしかして俺なんかやっちまったかな。

でも今日会うのこれが最初だしな。

まさか俺が悪いってことはないよな。

だって僕なんもしてないもん。

でも謝っといたほうがいいかな

でも何を謝ればいいの?

てかなんで謝るの?

謝る必要ないよね?

だって僕なんもしてないもん!!

 

しかし恐らくひなちゃんがこのまま近くのスタッフのもとに駆け込んで、こっちを無言で睨みながら指差したら高確率で僕は負けます。何にかは分からないけど。多分裁判とかに。わちゃわちゃ企画~東京地方裁判所編~のスタートです。

何とかしないと…前科者は嫌だ…

 

「…どうしたの?」

訊きました。

気分的にはアレですね。ゲームで、絶対こいつと話すとボス戦だな〜っていうNPCに会話するときの心持ちです。なんかやたら部屋がデカイやつ。

 

ひなちゃんは答えてくれました。

「自転車の風が強くて」

 

……?

 

What’s happen?

何かの風刺かなと思いました。

月が綺麗ですね的なアレかな?って。

この場合なんだろう。「とっとと視界から失せろ(中指)」かな?

 

「まるで自転車を強く漕いでいるときのように、あなた様の前では目を細めたくなることよ(直喩)」が意訳かな?

 

しかし僕の読みはどうやら、半分くらい当たってたみたいです。いい意味で。

 

「わたし向かい風強いとすぐ涙出ちゃうんですよ〜笑。今日風強くって!」

 

 

「…アアッ…ハッ… …ヘッ…ヘェ!そうなのか〜〜!よかった〜!」

 

よかった〜〜!!

何もしてなかった〜!法廷で会わずに済んだ〜〜!!

 

無事に誤解が解けて早速館内を回ってみるのですが、この施設、なかなかどうして面白い。

学校の課外活動の候補になるだけあって、なかなか知的好奇心をくすぐる仕掛けが随所に散りばめられています。

何かものすごく懐かしい気分になります。気分はすっかり小学二年生。先生!トイレ!

 

施設の魅力についてはツクマガvol.15の本編の方で語られているのでここでは割愛して、次に向かったのは実験植物園でした。

ここで僕は、「人間」という生物について、深く理解することになります。

…植物園なのに。

 

植物園はすごく楽しかったです。

個人的には、先の計量博物館より大学生向きで、グループでも個人ででも楽しみ方があると思います。

 

しばらく回っていると、何だか素敵な森に行きつきました。晩秋で枯れ落ちた木の葉の茶色が、葉を失ってなお存在を主張する木々の褐色が、寒々しい空の色を暖かく隠している、ちょっとした穴場みたいな場所です。

ここで一同ひとしきり遊びました。

雑誌にありがちな木の後ろに隠れた構図で写真を撮ったり、インスタ映えな足元写真を撮ったり、落ち葉の絨毯をひるがえして写真を撮ったり、でも確かに何か記録に残しておきたいような、刹那的な美しさがある時間でした。

 

一通り遊んだ後、じゃあそろそろ撤収するかとなったんです。

そのとき、僕の目の前にある「木」がありました。上に生え伸びている途中で綺麗に二股に別れており、別れたあとも手頃な太さを持って伸びている木が…

そう…とても…「登りやすそうな」木が…

 

 

登りました。無我夢中で登りました。多分少し笑っていたと思います。

原野を駆け抜ける獅子のように、川を駆け上る鮭のように、この眼前に立ち広がる自然に己が肢体の持てる力の全てをぶつけました。

そうして思いの丈登り終えて、倒錯的な、野性的とも言える、反文明的な達成感を噛み締めながら、ふと帰路ついて考えたのです。

帰路…そうつまり、「下」について。

 

 

おお…これは…なんというか…

 

思いのほか高い

 

いや、実際にはそんなに高くないのかもしれないけど、もはや日常生活でそんなイレギュラーなZ軸移動をしない僕には、結構心にくる標高です。

 

まぁしかし落ち着け。この程度の高さなら、少しの勇気で降りられる。

インフルエンザの注射に比べれば、耐えられる恐怖だ。

 

一二の三で行くぞー。

はい一

二の

 

ガッ

 

……!?

ぶっねぇ!

 

はん!?

おや?これは、足が、…

 

挟まってる

 

……ふおぉ…

 

終わった。

 

これはさすがに無理だ。

もう終わりだ。終わり。

ちょっとさすがに対処しきれない。

いわゆる”詰み”の状態だ。チェックメイト マイ ライフ.

おそらくこの状態で落ちたら、当たりどころを悪くして骨折するだろう。いやそこまでの高さではないけど、これはもう精神的に。精神的に骨折する。

そんくらい高い気がする。

しかしまだ手はある。

僕には”彼女ら”がいる。一緒に今日この場所に遊びにきた、僕の友人たちが。

正直この手は使いたくないのだが、背に腹は変えられない。

僕はなんとか自分を奮い立たせ、彼女らにこう言ったのだ。

 

「あの、木から降りられなくなっちゃって。助けてください。」

 

…お分かりいただけるだろうか。

この恥辱。この決断。

今年で21歳を迎える男が、大学三年生になる成人男子が、木に登ったら降りられなくなったから、助けて欲しい。力を貸して欲しいと、そう言ったのだ。

苦渋の決断だった。

 

さて、そんな僕の決断を受け取った彼女らはと言うと。

 

スンゲー笑っていた

 

いや、正確には「ハン」と鼻で切り捨てたやつもいた。個人的のはそっちのがキツかった。

しかしそんなことはどうでもいい。よくなった。

というのは、ここで後輩の一人が、とんでもない動きを見せたからである。

おもむろにポケットから携帯を取り出し、僕を、撮る。

 

カシャシャシャシャシャシャ

 

ものすごい連写で撮ってくる。

恥を忍んで公表したこの僕の痴態を、彼女は永久保存版にするつもりなのだ。

 

カシャシャシャシャシャシャシャシャ

 

いや取りすぎだろ。

僕は思った。

こいつマジか

思わず口からも出た

「お前マジか」

おそらく初めて後輩をお前呼ばわりした記念すべき瞬間である。

 

「アッハッハッハッハッハ!」

さらにすげー笑う

カシャシャシャシャシャ

そして連写。連写も止まらない。

 

アッシャッシャッシャッシャッシャ

あまりの出来事に音が混ざって聴こえてくる。恐怖のアンサンブルである。

 

結局この後、はまった靴を脱ぎ、まさしく清水の舞台から飛び降りる覚悟で飛び降り、事も無く無事接地できた。精神的な骨折も避けられた。

いや、精神的にはむしろ複雑骨折だった。明らかな殺害未遂だ。

 

そして僕は思った。

この先、何があろうと、いかなる問題が僕の人生に降りかかろうと、こいつらだけは頼るまい。頼りになるのは自分だけ。そう心に刻んだ。

 

最後にエキスポセンターに向かい。プラネタリウムを観てきました。

劇中に引用された星座とそれにまつわるギリシャ神話の逸話に感動して、劇後にそれを共有しようとしたら、

「あ、あたしそこ寝ちゃってたわ〜〜」

頼りになるのは自分だけ。そう心に刻んだ。

 

 

 

まぁ長々書いてきましたが、簡単に言うとアレですね。

 

めっちゃオススメです。つくば遊び。伝わりましたかね。