筑波大学は森に囲まれた自然豊かな大学です。
なんと学内に 4 つもの大きな池(兵太郎池、噴水、松美池、天久保池)があります。
意外と普段通り過ぎがちなこの池たち。

各池をクリックすると該当の記事までジャンプします!

~兵太郎池~

筑波大学最北端にあるこの池。一の矢学生宿舎への道の途中に現れます。
一の矢に住んでいないと存在すら知らない人も多いようです。
完全に森に囲まれていて、水面はほとんどが蓮の葉で埋まっています。
取材した 6 月は蓮の花がとても綺麗だったので、インスタ映えさせたい人にオススメです。
蓮以外にも普段はあまり見ない虫もたくさん観察出来ました。子供が喜びそうですね!
蓮の花の蜜を吸いにハチが…! イトトンボがたくさんいました。

水の流れを辿っていると源流らしき場所が!!
学内にこんな滝のような場所があるのですね。全体的に大学内にいるというより、自然公園を探検している感じが強かったです。

やっぱり筑波大学は森
~こんなものも見つけました!~
あまり人が立ち入らない森の奥の方に行くと、いろいろな生き物の痕跡が見られます。
野生の鳥の卵とか見つかるとかなりラッキーですね!
キノコって森って感じしますよね。こうやって地面見ながらゆっくり歩いていると普段見逃しがちな発見もあるのでとても楽しいです。ザリガニの死骸がたくさんあったのはなぜだろう…カラスに食べられてしまったのかな?
生き生きとした一の矢の自然を紹介してきましたが、人工物も目立ちました。
下の写真ではちょっとわかりにくいですが、バイクが池に沈んでいます。
他にもごみらしきものや自転車のタイヤも落ちていました。
いい感じの趣を出しているようにも見えますが、不法投棄はよくないです!不要なものは定められた方法で捨てましょう!
他にも兵太郎池には植物見本園が隣接していて、様々な種類の植物を見ることができます。春には色々種類の花が咲き、とても鮮やかになります。
あまり知る人が少ないながらも様々な魅力をもつ兵太郎池でした。
~噴水・天の川~

筑波大学内の池(?)で唯一大学っぽいところです。
ご存知だと思いますが、第一学群棟側から中央図書館を抜けた先にあります。
写真中央に勢いよく吹き上がる噴水は、「学費」という愛称で呼ばれ多くの学生に親しまれています。
この噴水を含む溜池ゾーンは、
「天の川」と呼ばれる第二エリアと第三エリアを隔てる小川に繋がっています。
排水で泡立ちがすごいこのエリアですが、意外にも色々な生き物がいて、鯉、やメダカの他に、最近住み着いた鴨の親子などが観察出来ました。

早朝に行くとサギが堂々たる姿で降臨していることがあるのでチャレンジしてみてください。

(あわがすごい)
~松美池~

第一学群棟のすぐ横にある池です。この近辺はペデストリアンの中でも最も交通量が多いと思われるので、噴水同様知らない人はいないでしょう。
学園祭ではステージになったり、池に入る人が現れたりします。
池の傍まで下りてみると、かなり汚いことに気づきます。
水面には油のようなものが浮き、透明度の低い水からは不思議な臭いが漂ってきます。
さて、この池にはどんなものがあるのでしょうか。
松美池といえばこいつ!
わりと有名な博士号くんです。
アヒルボートというファンシーな
見た目と、博士号という現実味を帯びたネーミングのギャップが個人的にとても好きです。
なぜかのっちゃダメという噂。
実はこの松美池、ループの内側と外側の 2 つに分断されています。
普段学生が松美池だと思って見ている池はループ内側の片割れでしかありません。
外側の池は完全に森で囲まれているため近づくことはおろか、水面を見ることすら困難です。
松美池の片割れの謎を明らかにすべく、我々は筑波大学(森)の奥地へと向かった…
なにやら池に近づけそうな(獣)道を発見。
草木をかき分けながら奥に進むとそこには池の水面が!
辛うじて見られた水面とその奥に広がる大量の草。

あまり奥までは進めませんでしたが、一応池を見ることが出来るポイントを発見する
ことができました!
水面はほとんど植物で覆われていて、内側の池とはまるで様子が違います。
~松美池の自転車祭り~
捨てたのか、落ちてしまったのか、この池には自転車がたくさん落ちています。自転車に困ったらここで自転車を拾うのをお勧めします!(やめてください)
身近でありながら意外と謎の多い松美池でした。
~天久保池~

宿舎と大学を繋ぐ道の途中にある池。
平砂、追越宿舎、グローバルヴィレッジに住む人たちのほとんどがこの池を毎日のように見るでしょう。
他の池同様森に囲まれていますが、木の配置が比較的低密度であるため、わりと池に近づきやすいです。ペデストリアンで西側と東側に分断されています。


←こいつが主です。
会ったら必ず挨拶をしましょう。
~自然と同化する人工物~
ペデストリアンから離れた池の東側に入っていくと、草むらの中にまぎれた人工物がぽつぽつとみられます。
他の池に見られる廃棄物のような雰囲気とは違った、自然に溶け込んだような感じで、童話の世界に迷い込んだような気分になります。
写真のタイヤやハードルのあるあたりは池の東側で、かなり開けた広場のようになっているのでピクニックなどをすると気持ち良いかもしれません。
∼天久保池の魚∼
天久保池の魚を食べたよ!
~取材中~
あいだ「(この魚食えたりしないかな..)」
先ほどの記事で天久保池に主がいましたが、他にも魚がいるとの情報を聞きつけました。
どうやらブラックバスがいるようです。
筆者の友人が天久保池でブラックバスを釣ってきたので、食べてみました!
つまり天久保池の食レポです。
食レポは食べるレポートなので、捌いたりする調理したりするのは釣ってきた人にお任せしました。

こんな感じで捌かれていきます。
切り身の状態ばかり見ているとなかなか見られない光景です。
当たり前だけどかなり魚の切り身っぽいです。これを揚げていきますよ。

鍋にポーン!!
某サバイバル的なバラエティー番組を連想しますね。実際に自給自足みたいな状態なので。
フィッシュアンドチップスのフィッシュみたいな感じになりました。普通に「白身フライだよ~」と言われても信じてしまいそうです。
いざ、実食です。(食べることに夢中で完成形の写真を撮り忘れてしまいました….)
果たしてあの池で育った魚はどんな味がするのか、恐る恐る天ぷらを口に運びました。
泥っぽいのかな、変な味しないかなとか色々考えましたが、一口食べた感想は
「え、普通にうまい、マ*****ドの***フィッシュのフライよりうまいかも」
です。揚げたてなので衣はサクサクで、身自体も臭みは一切なく、魚のうまみがしっかりしていました。
天久保池のブラックバス、ごちそうさまでした!
∼池の水質調査∼
筑波大学の池ですが、その水質が気になるところです。
実際に兵太郎池では様々な廃棄物が捨てられていたり、松美池には魚の死骸や自転車が見られました。
これらの池はかなり汚いに違いない!ということで実際に池の水質を調査してみました(2018年6月のデータです)。
調査した内容は、水質調査で良く用いられる化学酸素要求量(COD)と、酸性-アルカリ性の指標としておなじみのpHです。
簡単に言うとCODは大きければ大きいほど汚く(排水として考えられる有機物の量が多い)、pHは7.0から離れているほど生き物の生存が難しくなることが多いです(生物種によります)。
今回調査した池でそれぞれの指標を測り、以下の表とグラフにまとめました。



CODは2 ppm以下が雨水ほどの水質で、5 ppm前後がフナ、コイなどの汚染に強い生物は生存できる比較的汚染された池、湖の水質です。
10 ppmを超えてしまうと下水や汚水レベルの汚染になります。
兵太郎池がかなりやばいのわかりますね。水生生物の気配もなかなか感じられませんし納得の結果です。
天久保池もやや高めなので、ブラックバスを食べてしまったのが不安になってしまいます。
噴水や松美池は比較的CODが低く、普通の汚い池という感じでしょうか。
ただ、CODが比較的低い噴水、松美池はpHの方がかなり塩基性によっているので、どちらにしろ生物にとって生きにくい環境でしょう。
これは2018年6月のデータですが、2018年11月に松美池で魚が大量に死んでいるのが確認されました。
業者による水質調査の結果、数か所でCODが10 ppmを超えていたという報告があり、かなり汚染が進んでいたようです。
季節や環境によっても水質は変化していくので定期的に確認する必要がありそうですね。
2018/07/11

企画&文章:あいだ

取材協力:ひなもり

取材協力:かーぎ

デザイン:あすけ

技術:きの