劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』
作曲:アラン・メンケン
作詞:スティーヴン・シュワルツ
原作:ヴィクトル・ユゴー
2018年8月28日までKAAT神奈川芸術劇場にて上演中。のち名古屋四季劇場にて9月22日開幕
いきなりですが、まずはこちらを見てほしいです。
今回紹介するのは、現在KAAT神奈川芸術劇場で上演中、劇団四季ミュージカル『ノートルダムの鐘』です!
この動画を見てびびっときた人、今すぐにでも観てほしいです…!なんせ横浜で上演しているのが8月末まで。この作品の魅力を今、ひとりでも多くの人に知ってほしいのです…!
ミュージカル『ノートルダムの鐘』は、『レ・ミゼラブル』などでも知られるヴィクトル・ユゴーの小説『ノートル=ダム・ド・パリ』を基につくられたディズニーアニメーション『ノートルダムの鐘』をミュージカル化したものです。ディズニーのアニメ自体知らない人も多いかもしれません。日本では劇団四季によって2016年末に初演となりました。
舞台は1482年のパリ。主人公のカジモドは、パリ・ノートルダム大聖堂の鐘つき男。彼は生まれながらに怪物のような醜い容貌をしていたため、幼いころに大聖堂の大助祭クロード・フロローに引き取られてから、外に出ることを許されませんでした。鐘と鐘楼の石像だけが友達のカジモドは、外の世界に憧れていました。
そんなカジモドは、年に一度開かれる‟らんちき祭り”の日に、美しいジプシーの踊り子エスメラルダと出会います。カジモド、フロロー、そして大聖堂の警備隊長フィーバスは、その美しさに一瞬にして魅了されてしまうのです。
エスメラルダをめぐる愛憎、そして深い人間ドラマ。教会音楽のような荘厳さを感じさせる重厚な音楽が、複雑に絡み合う人間模様を彩ります。
そんな、語り切れないほどに感動的な『ノートルダムの鐘』。その魅力を頑張って4つに絞ってみました。
①考えさせられるストーリー
ディズニーミュージカルといえば、『ライオンキング』『アラジン』『リトル・マーメイド』…明るくてハッピーエンドのものが多いですよね。でも『ノートルダムの鐘』はそれとは違う、いわゆる‟大人向け”のミュージカルになっています。ディズニーのアニメ版よりも原作に寄せたというこのミュージカルは、観客に「人間と怪物 どこに違いがあるのだろう?」という問いを投げかけます。カジモドらそれぞれの「宿命」を背負った登場人物たちの生き様に触れて、わたしたち観客はその意味を考えさせられるのです。観た人ひとりひとりによって、他にもさまざまな問いが自分の中に浮かんでくるはず。どちらかというと重めなテーマが好きな人におすすめ。
②巨匠アラン・メンケンの音楽
ディズニーミュージカルといえばやはり!アラン・メンケンの音楽!『アラジン』『リトル・マーメイド』『美女と野獣』等の名曲を生み出してきたアラン・メンケン。(主観ですが)中でも『ノートルダムの鐘』の音楽は本当に素晴らしいです。荘厳で美しく、時に狂気や絶望に満ちた、心を揺さぶるナンバーの数々。そしてそれを歌う俳優の方々の歌唱がまた素晴らしく、鳥肌が止まりません。アニメの『ノートルダムの鐘』の音楽が好きな人には、ぜひ聴いてほしい。聴いただけでこんなにも心を動かされる音楽に、わたしは初めて出会いました。心の底から大好きです。
③『ノートルダムの鐘』だからこその演出
演出の中でも特に注目してほしいのが、16人のクワイヤ(コーラス隊)。クワイヤは動き回って演技をするわけではないのですが、劇中常にステージ上にいて、表情などで演技をしながら歌い通します。このクワイヤこそ他のミュージカルにはない特徴で、『ノートルダムの鐘』の世界観をつくり出すのになくてはならない存在なのです。また、かなりシンプルな舞台セットの中で、「物」や「人」によってどのように場面の移り変わりを表現しているかも、このミュージカルならではの注目してほしいポイントです。ちなみにわたしが一番衝撃的だった演出は、カジモドの登場シーンと最後のシーン。詳しくは言えませんが…。
④圧巻の演技
これはもう、観てほしい、としか言えません…!舞台上のパリの街で、いきいきと生きる登場人物たち。熱い魂のぶつかりあい。特に、顔は醜く歪み、背骨は曲がり、障害を持って生まれてきたカジモドがどう演じられているかに注目してほしいです。

他にもまだまだ魅力が盛りだくさんの『ノートルダムの鐘』。最初にも言いましたが、関東で観ることができるのはあと少ししかありません。こんなに素晴らしい作品がまだ多くの人に知られていないことが悔しくて、こんな記事を書いてみました。最初に観たときの衝撃を味わってほしいので、あまり詳しくは言えないのですが…。
もし興味を持ってくれた人がいたら、ぜひ観に行ってほしいなと思います。泣いて喜びます。ミュージカルのチケットはお高めなので、行きづらいと思われてしまうかもしれませんが、実際観に行ったらそれ以上の感動を味わってもらえるはずだ、とわたしは思っています。
「人間と怪物 どこに違いがあるのだろう?」-この問いが、ひとりでも多くの人の心に響くことを願っています。