小説『椿山課長の七日間』

みなさんこんにちは!おうち時間、いかがお過ごしですか?!

暇~!って言いながらゲーム三昧、映画三昧、自炊三昧…してますか?!

忙しい人は忙しいけど、暇な人は暇。って感じですかね。

かくいう私は、本業(書)をほったらかして、毎日パソコンに向き合って…
パソコンで何しているかって、あれです、期間限定特別企画…!

この時期はツクナビ文化部にとっては活動活発化の大チャンス!今こそ文化部!
…なんでしょうけど、そんなこんなで全く文化部していない私が4月担当になったので、、ゴメンナサイ、最近全く映画を見ていないし本も読んでいないし、オススメしたいものがない。

いわゆるゲームはほぼしない人間なので、暇があったら本を読みたいです。

というわけで、過去に読んだオススメの本を紹介します。
私が、短い人生と少ない読書経験の中で1,2を争うくらいに号泣した本です。

浅田次郎作『椿山課長の七日間』

簡単にあらすじを説明すると、
突然死してしまった中年男性・椿山和昭が、やり残した仕事や家のことが気がかりだった上、現世での罪が邪淫だと判断されたことに納得がいかず、それらをどうにかするために別人として一時的に生き返るお話。
制限時間は死後七日間(『死後の世界』での様々な手続きで既に四日経過)。
生き返ることができるのは相応の理由がなければ認められないのですが、今回椿山とともに、7歳で交通事故死した根岸雄太と、人違いで殺されたヤクザの組長・武田も現世への逆送が許されることに。果たして、3人の運命は…?!

と、こんな感じです。何が面白いのかって、、?
なるたけネタバレしないように書いていきます。

この本の面白いところ①『死後の世界』
みなさん『死後の世界』ってどんな場所だと想像しますか…?
この本の中で描かれている『死後の世界』、つまり‘ あの世 ’ は、この世界と同じように事務的な手続きがあったり面倒な規則があったり。でも、現世での罪を反省して『反省ボタン』を押すだけで、誰でも極楽へ行けるという世界。え!それだけでいいの?って感じですが、どうやらそういうシステムらしい。
そのほかにも、えっ?!という意外で不思議なシステムがいろいろあるみたい…。

おもしろポイント②『七日間限定の逆送』
主人公・椿山さんは突然ポックリ死んでしまったので、家族の事とか、仕事の事とか、色々気になって現世に戻ってくるんですけど…
別人として生き返ることは、相応の理由がなければ認められないのですが、もし認められてこの世にやってきたとしても、これまた面倒な規則があります。
「正体がバレてはいけない」「復讐はしてはいけない」「制限時間は守る」
これらを一つでも破ったら………親指を立てて下に向けた感じ、の結末が待っているそうです。とにかく怖いことになる。逆送はリスキーなことみたい。

そしてそれを承知で現世に(別人として)生き返った椿山さん。
持たされたのは、必要なものは何でも出てくる謎のバッグ。
必要なお金はいくらでも出てくるけど、不必要なものは絶対に出てこないらしい。
私が毎日買ってしまうお菓子には、お金は出てくれるのでしょうか。気になります。

魅力③『嘘』
一度死んでから、仮の肉体でこの世にやってきた椿山さんが見たものは、身近にいた人たちの、知らなかった顔。嘘偽りを隠したまま生きていた親しい人たち。
家族なのにそんなウソついていたの…?!と、驚くことばかり。
家族なのに、親子なのに、知らなかったことがたくさんありました。
でも、嘘は嘘でも、正義の嘘と、本当にくだらないウソと…、色々種類はあるようです。

最大の見どころ④『家族愛』
その嘘を通して見えるものは、家族や好きな人に対する愛です。
それと『仁徳』っていうんでしょうか、やっぱり人間中身だよなぁって思わされます。
椿山さんのお父さん、なんと徳高き人なことか。

同じ時期に逆送された、椿山さんと7歳の少年とヤクザの組長、この3人と ‘この世’ に残された3人の周りの人々の交わり具合も絶妙です…!


ネタバレになりますが、
私がいちばん泣けたのは、少年が本当のご両親に「ありがとうとごめんなさい」を言えたときです。
あ、でも椿山さんのお父さんがその子をかばって自ら地獄に落ちる選択をしたところもです。

説明長かったですね。。。
この記事を読むより、とにかく本を読んでもらいたいです。

いつ人は死ぬかわからないから…ありがとうとごめんなさいは、言えるときに言うこと。
他人の考えていることなんて案外わからないもの。言葉にしなきゃわからないということ。
家族、周りの人を大切にすること。
自分の中に、一本通った芯のような信念を持つこと。

そんなことを教えてもらった気がします。

 

ちなみに私が最近泣いた記憶、たった15分の朝ドラで3回泣きました。
感受性豊かどころじゃないです。年です。

文てぃ

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